症例報告

動悸、不眠、パニック、めまい、上腹部痛

動悸、不眠、パニック、めまい、上腹部痛 50代男性 アパレル

来院時状況

4年前に病院でパニック障害と診断され、薬により、過呼吸などの症状が改善していたが、最近また、動悸や不眠といった症状が再発してきている。動悸は気がつくと鼓動を強く感じてしまうとのこと。以前のように発作的に起こっているわけではなく、なんとなく常に動悸がしているとのこと。不眠は、入眠困難であり、安定剤(ワイパックス)をのまないと眠れないという。また、眠れなくても日常生活に支障はなく、眠気すら起きないとのこと。 また、上腹部痛もあり、病院では内臓に異常はないといわれた。

検査・カイロ整体・経過

症状から自律神経系に機能低下があると判断し、カイロプラクティック的観点から関連があると思われる脊椎レベルを入念に可動検査を行なった。 第一頚椎に強い側屈制限、側方変位が、第一胸椎に左回旋制限が認められたため、2週間に一度のペースでアジャストメント治療を行った。 3回目には動悸が改善したが、不眠は変化がなかった。 ご自身が睡眠薬の減薬を試みたが、めまい、浅眠などの離脱症状が強く出てしまった。 4回目の施術後はその離脱症状も改善したとのこと。その際、眼球周囲の眼輪筋などの緊張を和らげる軟部組織テクニックも併用した。 その後も2週間ペースで整体を続け、ご自身も減薬を続けながら、8回目には不眠の症状も全くなくなり、薬もやめられたとのこと。 上腹部痛も腹直筋の緊張を伴う肋軟骨の炎症が疑われた為、腹直筋の緊張緩和の施術を行い、1回で改善した。 今では月に1度のメンテナンスを受けながら、健康管理・再発予防に努めている。

泉山 耕一郎

コメント

本症例では、カイロプラクティックが直接的効果をあげたというより、アジャストメントにより自律神経を介して間接的に波及効果があったのではないかと感じました。 カイロプラクティックの自律神経症状へのさらなる可能性を感じた症例でした。 担当 泉山

引っ越しをしていて急性腰痛

引っ越しをしていて急性腰痛 60代 女性 会社役員

来院時状況

会社の引っ越し作業したときに急性腰痛になり、起き上がりや立ち上がりで強く腰が痛むようになった。 朝起床時に痛みが最も強い。 動き始めに鋭く痛む。 歩けるが、横になるのも痛みがきつい。 2,3年前にMRIを撮ったときに椎間板の突出を指摘された。 その当時は特に腰痛は感じていなかった。

検査・カイロ整体・経過

病院でレントゲンを撮影し、持参していただいた。 腰仙角がきつく、反り腰になっており、左側彎が見受けられた。 腰椎の至る所に骨棘ができており、椎間板腔も減少していた。 姿勢も痛みで、左に逃避姿勢をとっていた。 触診所見としては、腰仙部に強い可動制限と熱感、腰部起立筋スパズムが触知され炎症が疑われたため、急性の変形性の腰椎関節の老化と判断し腰仙部への負担を減らすようにカイロ施術を行った。 抗重力体位にし、腰仙角を広げるように横に寝てもらい、まずは炎症部位に対して冷却を行った。 骨盤ブロックを用いてスパズムが減少するポジションを設定しながら腰椎モビリゼーションをおこない、筋スパズムの緊張を緩和させた。 第5腰椎の可動制限に対して、炎症を刺激しないよう気をつけながらアジャストメント(矯正)を行った。 腹圧を一定にし炎症を刺激しないよう腰痛ベルトを指導した。 数日内に集中的に来院することを勧めたが、仕事の関係で週1回しか来られないとのことなので、週1ペースで施術した。2回目の施術後にはきつい腰痛からは脱出し、4回目には8割減、5回目には消失した。再発もそれからは起こっていない。 以来、慢性の首、肩こりの整体も併せて、月に1,2回メンテナンスにいらしている。

泉山 耕一郎

コメント

本症例においては、関節の変形が進んでいたのと、患者の事情により施術間隔が開いた状態での施術であったので、比較的改善まで時間がかかってしまった。担当 泉山

腰痛・両足の痺れ・歩行困難

腰痛・両足の痺れ・歩行困難 60代男性

経過

2ヶ月前から発症し、一時は排尿困難(尿が止まる)や股間の違和感が出るほどひどくなった。今は最悪のピークは過ぎたが、長時間のデスクワークや歩行がつらく、杖をつかないと歩くのも心許ない。 病院や接骨院、マッサージなどに通ったが、あまり良くならないので当院に来院。

検査・カイロ整体・予後

症状から脊柱管の狭窄が疑われるため、当院提携の病院に画像検査(レントゲン・MRI)を依頼。結果、病院で脊柱管狭窄症と診断された。 施術は、脊柱管を広げる方向に腰椎の関節を調整し、腹筋と背筋のバランスを調整した。週に2,3回のペースで通院。 当初は5分座っているだけで太ももの痺れが強くなってきたが、2回目の施術で20分、3回目で40分、4回目で60分と少しずつ長く座れるようになってきた。5回目からは杖なしでも歩けるようになり、前より長く歩けるようになってきた。以降8回目までには腰とふくらはぎの疲れや、足裏の軽いしびれ以外の主だった症状は改善した。 今では再発予防や、老化予防、疲労回復のためのメンテナンスを定期的に受けられている。本人も腰の曲がりが直り、杖無しで歩けるようになり、軽度のジャンプやランニングが出来るようになり、非常に喜んでいらっしゃいます。

泉山 耕一郎

コメント

本症例は、症状の度合いからもカイロの相対的禁忌となりうるケースだっただけに慎重な判断が必要でした。 今回、狭窄という難治性の状態に対する施術としては、うまくいったほうではないかと思われます。 比較的、狭窄が慢性化する前だったのが幸いだったのかもしれません。

本人もまだまだ、現役で仕事を続けたいとのことでしたので、何とか改善されて本当に良かったです。担当 泉山

ぎっくり腰(急性腰痛)

ぎっくり腰(急性腰痛) 30代男性 消防士

初診時状況

仕事中に中腰姿勢で作業していたら突然腰が痛くなった。痛みで体がくの字に曲がって腰を伸ばせないし、屈むのがつらい。歩くのもつらい。

検査・カイロ整体・経過

痛みの度合いが強く、体が斜め前に曲がった状態(逃避姿勢)でいらした。 典型的な急性の腰痛の可能性が高いと判断し、患者の負担になる詳細な検査を省き、とにかくまずは痛みを軽減させる治療を優先した。 横になるのもつらい状態であったので、カイロベッドを患者の体のくの字に合わせてセッティングし、骨盤ブロックを使用しながら患者が比較的楽に横になれる状態を作り、施術を行なった。 炎症を起こしている部位に対して冷却を行い、痛みに過敏になっている状態を緩和させた。 次に、患部の炎症を刺激しないように慎重に腰椎の可動性をチェックしながら、 痛みの出ない可動域範囲内での腰椎関節可動性の調整を行なった。 筋スパズム(強い痛みから体を守ろうとする防御性筋過緊張)を少しずつ緩和させながら、炎症を起こしている患部の腰椎の歪みを調整できる状態まで導いた。 炎症を刺激しないよう、細心の注意を払いながら患部の調整を行なった。 さらに腰のカーブを支えている腸腰筋がバランスを崩して硬くかつ弱くなってしまっていることが今回の腰痛の背景にあったと思われるため、腸腰筋のバランスを調整する施術もあわせて行なった。 翌日(2回目)、いらしていただいたときは歩くのにつらさはなくなってきたが、屈む動作がまだつらい状態であった。3日目(3回目)屈む動作はまだ少し痛むがつらさはなくなってきた。体の傾き(逃避姿勢)がなくなった。5日目(4回目)には長時間座り続けるのがまだきついが、大分良くなってきた。7日目(5回目)には長時間の座位姿勢からの立ち上がりが少し痛む程度まで落ち着いてきた。1週間後には全く腰に違和感がなくなった。

泉山 耕一郎

コメント

今回のケースは典型的な急性腰痛のパターンであり、概ね良好な回復傾向を示した。職業上、腰の状態管理が重要であり、シフトに穴をあけられないという状況であったので、早期に回復して本人もとても喜んでいただけ、本当に良かったです。担当泉山

首の痛みと脇下、腕から手のしびれ

首の痛みと脇下、腕から手のしびれ 30代男性 弁護士

初回時の状況

1か月前に朝起きた時に左のわきの下に肉離れのような、切れるような痛みを感じて以来、首の痛みと腕から手のしびれが続いている。 主観的な痛みの度合いが10段階の8レベル(10は過去最悪の痛み)とのこと。

  • 首を左に向けると左腕から手にかけて痛みが広がる。
  • ゴルフのスイングや左手で重い荷物を持つと痛みが出る。
  • 首の付け根のあたりに痛み、引っかかるような違和感がある。

検査・カイロ整体・経過

患者の姿勢は頚胸移行部が後弯しクレーンネックを呈している。頚部可動域は特に制限はないが、頚部左回旋時に頚胸移行部の痛み、左上肢の痺れ、左脇下の痛みが誘発された。 神経学検査の上肢ベースラインにおいては知覚・運動・反射すべて正常であった。 整形学検査において、サービカルコンプレッションが陽性であり、左上肢の痺れ、左肩 甲骨内側の痛みが誘発された。 併せてサービカルディストラクションも陽性であった。 オドノヒュー・マニューバーでも他動自動ともに頚部左回旋時に愁訴誘発。 スプリングテストにおいても頚胸移行部において左上肢への痺れが誘発。 可動触診ではC5右回旋制限、T1右回旋制限が検出され、T1の可動触診時に上肢の痺れが誘発された。 本症例では、頚胸移行部の椎間関節の機能低下が上肢への関連痛もしくは放散痛を引き 起こしていると判断し、T1LP 、C5LPに対する矯正(アジャストメント)を、週2 回ペースで3回行い、主観的にも客観的にも改善が見られたため、カイロ整体を終了し た。 頭部前突などの猫背姿勢が症状を引き起こす誘因となる可能性があることを伝え、 不良姿勢への注意を促し、メンテナンスケアの重要性を伝えた。 今では定期的にメンテナンスを受けており、順調な経過である。

泉山 耕一郎

コメント

今回のケースは、カイロプラクティックの得意分野である典型的なサブラクセーションが問題となっていたので、症状の割には早期改善を示した。 担当 泉山